今週のお題:マグロの取り合い「喧嘩の手巻き寿司」〜子供時代の思い出〜
回転寿司のおかげでとても身近になった「お寿司」だが
私の子供の頃は、お寿司は目の前で握ってもらうのが「お寿司」だった
値段も高いことから簡単には連れて行ってもらえなかった
ー高級
ー美味しい
そりゃあ食べたい
なかなか叶わない希望を叶えてくれたのは
やはりいつでも「母」だった
お祝いの時には、今は亡き、その「母」がたくさんの、いろんな種類の具材で
手巻き寿司を用意してくれた
私のベストワンは、なんと言っても「マグロ」
「マグロ」さえあれば良かった
そして「マグロ」は父や祖母、兄も大好き
当然取り合いになる
他にも「いくら」や「うに」など、皆が好きなものがたくさんあるのに
なぜか「マグロ」が取り合いになる
そして、子供の私と子供っぽい「祖母」で最後の一つを取り合うのだ
毎回母に「おばぁちゃまに譲りなさい」と言われるが
「なんであたしが子供なのに大人に譲らなきゃいけないんだ!」とごねる
しかし最終的には、説得なんだか強制なんだか
最後の一つは必ず!「祖母」のものになる
「祖母」は全く「当たり前」の顔つきで頬張っていたのが
ほんとに頭にきて拗ねていたものだ
今では、私の情景に浮かぶ人たちは目の前にはいなくなってしまったが
叶わなくなってしまった家族の風景だからこそ
より鮮明に....あの当時は怒りの場面だったが
今は、微笑みながらも涙が出てしまう、温かくも寂しい情景の思い出となってしまった